協定大学の魅力と留学の価値に触れる秋の留学フェアを開催
2024.12.16
10月24日(木)、国際交流課主催にて秋の留学フェアが行われ、45名の在学生(内訳:一般参加学生25名、交換?短期留学生16名、留学帰国学生4名)が参加しました。今回の目玉は、交換留学生による協定大学紹介と留学帰国学生による進路準備体験談です。これは、「留学をしたいけど、就職活動が心配で踏み出せない」「各協定大学の違いは?」「留学生と交流できるイベントを実施してほしい」という学生の声に応えるべく企画されました。
交換留学生による協定大学紹介
o 静宜大学(台湾)
o 逢甲大学建築専業学院(台湾)※住居学科、建築デザイン学科対象
o オレゴン大学(米国)
o 誠信女子大学(韓国)
o 梨花女子大学(韓国)
o ウプサラ大学教育学部(スウェーデン)
o フエ大学外国語大学(ベトナム)
o 河南師範大学(中国)
交換留学生からは、大学の学部?学科をはじめ、キャンパス風景や図書館など学びの環境や、寮や学食など生活環境が、たくさんの写真とともに紹介されました。また、空き時間や休日の過ごし方、その土地ならではの風景の紹介もあり、具体的な生活イメージやワクワク感を感じるプレゼンでした。
留学を考える学生にとって、留学中のキャンパスライフをイメージする上で、交換留学生の生の声は大変貴重な情報源となりました。
留学帰国学生による進路準備体験談
留学帰国学生が「留学と就職活動、大学院進学準備の両立の悩み」をテーマに体験談を発表しました。
留学先で学びながらどのように就職活動を並行したのか、留学経験をどのように就職活動にいかしたのかなど進路準備を中心としたプレゼンテーションは、留学を検討している学生にとって必聴となる貴重な体験談を聞くことができました。
卒業後の進路が就職の青木理紗さん?千葉美唯子さん、大学院進学の宮﨑はなえさんの3名による、準備体験のポイントをまとめました。
青木理紗(あおき りさ)さん
留学種別:協定大学留学
留学先:ボルドーモンテーニュ大学(フランス)
卒業後の進路:就職
内定先:リアル脱出ゲーム?イベント制作会社のコンテンツディレクター
A
• フランスの文化 (芸術、言語、製菓など) への興味
• 第二外国語にフランス語を選択
• 日本文化が受容されている日本文化を外側から見ることができる
など
Q 留学中の就職活動のポイントは?
A
• 留学先での勉強、経験 (友達との交流、旅行) を優先!
→ 留学先でしかできないことに全力を注ぐことが大切です!
• 時差に注意!日本時間と現地時間の両方を書いたスケジュールを立てる
• 対面での参加ができないのでオンラインイベントを探す(優先順位をつける)
→ 面接や説明会で対面を指定される場合がありますが、留学中であることを熱意を持って交渉すれば、希望を聞いてくださる場合があるので交渉次第です。
• 他の人と自分を比較しないように心がける
→日本にいる友達と比べてしまう時もありますが、人と比べず過去の自分と比べてどうかを考えるようにして落ち着いてやっていきましょう。
• 留学で経験したことや考えたことは全ていきてくるので、新鮮なうちに心情含めメモを!些細なことでもそれらの体験が結びついて、大きな体験として後に話せるエピソードになることもあります。
Q 進路準備にいきた留学経験は?
A
• 就活の面接では留学のことは100%聞かれます!
→ 留学中のことも、留学前のことも聞かれます。自分が「留学についてどう考えているか」の軸を持っていれば答えることができますので、さまざまな観点から整理しておくことが重要です。
• 留学を通して進路が変わることはある。はじめから根詰めて考えすぎなくても大丈夫!
→自分と向き合う時間を得たことで、仕事にしたいことを自覚できました。
• 挑戦する力を培えた
→とにかく実行に移すことを心がけ、選考に参加することを決めました。
• 手を尽くして物事を突き進める場面が多かった
→就職の選考課題を一人で練り上げました。
Q 留学経験をどのようにアピールしたか?
A
• 物事を自分の感覚で多角的に見る
→初めて見聞きするものに対して自分はどう考えるか?の連続だったことを伝えました。
• 自分のやりたいことを叶えるために積極的に動く
→留学のための学習計画、手続き、情報収集をしてきました。
• 環境に適応する、自分の周りの環境を変える
→フランス式の手続きを自分なりに工夫して進めたことと、大学のワークショップに一人で応募して参加したことは行動力が養えたと思います。
Q 留学したい方にメッセージをお願いします!
A
• ”予定通りに進まない”ことを経験として吸収する
→逆に”予定通りに進まない”は日本では経験できない!
• その時にしかできないことを大切にする
• 準備から帰国後まで、全てが力になる!
もともと進路については、自分でやりたいことより、自分の力が生かせて安定した仕事に就くことができればいいという考えを持っていました。フランスでできた友人たちはやりたいことや好きなことがあって、それで人生を生きていきたいと話していました。それを聞いているうちに、自分のやりたいことを軸に就職先を選んでもいいかなと思い、シフトチェンジしました。
留学中に苦労したことや楽しかったことはたくさんありましたが、それを何か別の形に作り替えて面白くできないかなと考えるようになり、興味のあった脱出ゲームの会社を選びました。
千葉美唯子(ちば みいこ)さん
留学種別:協定大学留学
留学先:靜宜大學(台湾)
卒業後の進路:就職
内定先:医療機器メーカーのMR
A
• 中国語力を高めたい
• 挑戦する力、積極性を身に付けたい
→一人で生き抜く力を身につけたいと思っていました。
• 高校の時から中国語を学ぶ機会があり、中国語に興味があった
• 留学生歓迎会で交流した靜宜大學の学生が優しかったのが決め手
Q 留学中の就職活動のポイントは?
A
• 「日本にいる時と同じように」を意識した
→4年で卒業したかったので、就職活動と留学、同時進行で偏りのないように活動しました。
• 全休の日を作り、スケジュール調整をした
→全休があると授業の準備だけでなく、面接の日程も組みやすいです。
• ハードルの低いWeb説明会を見てから個別の説明会に申し込み
→幅広く知るという意味ではオンラインで問題ないと思います。
• オンラインで完結するものは活用する
• 留学中に秘書検定(3級と2級)とTOEICを受験
→留学先の静宜大学の日本語の先生に誘われて秘書検定を受けたり、学生同士は英語で話すので英語力が上がったりしたことからTOEICも受験しました。
Q 留学中に苦労したことは?
A
• 1年間留学をする学生の中に、4年で卒業し就職を目指す人がいなかった
→周りの雰囲気に流されすぎないように心掛けました。
• 寮生活のため、面接用に静かな部屋を毎回借りた
→4人部屋だったので調整が難しく、大学に依頼して毎回借りました。
• 日本にいる友人はインターンシップに参加できるが、自分はできず、遅れている気持ちになった
• スケジュール調整が難しかった
→時差は1時間しかなかったのですが、面接の時間などを間違えないよう、常に気を張っていました。
Q 就職活動でアピールしたことは?
A
• 留学は大きなアピールポイントにつながった
• 語学力のほかに、留学中に身についた 「積極性?挑戦する力」を特にアピールした
→毎日台湾の学生に話しかけに行くという、自分なりの小さな目標を立てていたためそれについての説明をしました。
• 挫折経験と乗り越えた方法
→コミュニケーションが難しく感じる時がありましたが、台湾の人のコミュニケーションの方法など、乗り越えた方法を一緒に伝えました。
Q 留学したい方にメッセージをお願いします!
A
悩んでいるなら挑戦した方が良いと思います。結果的に内定にもつながりました。
1) 留学に踏み切れない理由は何か? を考える
2) 【不安】を洗い出す
3) 【不安】なことをひとつずつ無くしていく
→単位、就職活動、卒業論文など…学科の中央中国足彩网室の先生に相談したり、留学を経験した先輩に聞いたりするのもおすすめです。早めに不安を解消できると気持ちも楽になります。
周りのサポートを受けながら留学できるのは学生の特権ですので、有効に活用してみたら良いと思います。
宮﨑はなえ(みやざき はなえ)さん
留学種別:協定大学留学(交換)
留学先:ウプサラ大学教育学部(スウェーデン)
卒業後の進路:大学院進学(留学前から大学院進学希望で、就職活動はしていない)
A
• 異なる環境で新しい視点を得たい
• スウェーデンの持続可能性や福祉国家であるところに魅力を感じた
• 自分が取得できた英語のスコアと出願基準点
• 日本と全く異なる気候や文化のなかで スウェーデンの教育環境はどのように展開されているか学びたかった
Q 留学前にしておけばよかったこと
A
• 論文をたくさん読んでおく
• 自分が興味を持つ中国足彩网テーマを考える
→自分は何に興味があるのかを明らかにして、あらかじめ論文を読んで内容を把握する力をつけておくと、留学の充実度も上がりますし、留学先の中国足彩网もより良いものとなると思います。
→個人的には、留学前に保育施設の視察を行ったり、中国足彩网テーマに関連する論文を読んだりしておいたら、もっと留学にいかせたと思います。
• 中国足彩网室?OBOG訪問 (日本女子大学以外の大学院を考える場合)
Q 留学中の大学院進学準備は?
A 以下の順序で進めました。
1) 大学院の内部進学のフローを確認 & 国際交流課にもZoomで相談
2) 大学院進学を希望する旨を中国足彩网室の教員に確認
3) 他大学院進学も一応検討するが、日本女子大学に内部進学する意思を固める
→せっかくの留学最後の期間を大学院進学の準備にするのはもったいないと思いました。併願受験ができないため一定のリスクがあることを鑑みて内部進学に決めました。
→中国足彩网室の先生が変わっていましたが、後任の先生が自分の興味のある中国足彩网をされていたので、あえて他大学に行く必要もないと考えました。
4) 住居学科に進学の意思を伝え、主にメールでやり取り
5) 日本女子大学住居学科から正式に内部進学制度の詳細が発表され、メールでやり取り (出願は帰国後)
Q 留学を経験したことでの進路に対する考えの変化は?
A
• 留学前より、大学院でさらに中国足彩网調査を行い、学びたいと強く感じるようになった
• スウェーデン滞在中に目の当たりにした多文化共生社会や、移民と当たり前に共生する環境や、自分自身が外国人として暮らした経験をいかして中国足彩网したいと考えるようになった
• 進学準備の段階や面接でも「なぜ大学院に進学したいか」「大学院で何をして社会に貢献したいか」などを質問されるため、進学に対する意識を早い段階から持つことができた
Q 留学中に苦労した経験は?
A
留学中
?周りに大学院進学を考えている人がいなかったため、温度感がわからなかった
?留学の最後の時期が進学の準備の時期と重なり、気を抜けなかった
留学後
?同級生が就職?進学したことと、中国足彩网室の先生が変更になり、環境が一新した
?そのため留学中から進学に関して連絡を綿密にとる必要があった
?前期は留学中だったため卒業論文で遅れをとっている
Q 留学と進路を考えるためのアドバイスをお願いします!
A
• 定期的に自分を振り返る?見つめ直すことを習慣付ける
→留学中に意思が変わることもあるので周りに流されず、自分がやりたいことをどのような形で実現できるのか考えながら過ごすことをお勧めします。
→留学中に毎日日記をつけたり、Todoリストを作ったり、やるべきことを視覚化して常に意識して過ごすようにしていました。留学中にできた日記の習慣で、自分の成長や心の変化にも気が付くことができました。
Q 宮﨑さんが感じた留学の価値とは?
A
• モチベーションを保てるかは自分次第
→自分を客観視して定期的に見つめ直すルーティンができました。
• 世界各国の人と出会える
→寮生活?留学生が多い大学?移民が多い国という条件が揃っていたこともあり、多様な文化と価値観に触れてきました。女子校でかつエスカレーター方式で進学してきた私にとっては対照的な生活を送ることができました。この経験を通して、スウェーデンがかけがえのない場所になりました。
• スウェーデンのウプサラ大学を留学先に選んでよかった!
→イギリス?アメリカ?その他北欧諸国に比べると物価も安いです。
→季節や文化が日本と異なっていて、いつでも新鮮に過ごせました。
→スウェーデン人の話す英語は聞き取りやすいです。
→質の高い教育を、素敵な仲間たちと受けることができました。
皆さんも留学を通して実りある体験をしていただけたらと思います。
より質の高い留学を目指すために、今からできることがあります。
語学試験の学習、専門科目の予習(GPA/大学の学業成績)、目的の明確化をすることで、留学先大学の選択肢が広がり、さらに奨学金合格の可能性も高まります。ぜひ取り組んでみてください。
また、留学を検討している方は、「早めに計画?早めに行動」を意識していただければと思います。
終了後は懇談会を行い、留学生と留学帰国学生、留学を目指す在学生が交流し、情報交換や体験談で盛り上がりました。
主催した国際交流課は、以下のメッセージを学生に伝えたいと思い、今回の秋の留学フェアを企画しました。
「日頃学生の留学相談に乗っていると、『就職活動が心配で、留学に踏み出せない』という学生の声を、たくさん聞きます。『留学をすることで、このような経験ができて、このような力が身につき、それが就職活動や大学院進学にこのように生かせる』というロールモデルを見てもらうことで、自分の留学やその先の進路について考えるきっかけにしていただきたいと考えています。」