JWUで学んだ建築家たち?住居学科卒業生の活躍? Vol.3
2023.08.23
日本女子大学は家政学部住居学科を独立させた新学部「建築デザイン学部」を2024年4月に開設します。母体となる家政学部住居学科は1948年に生活芸術科として設立され、その後1962年に住居学科として独立、現在までに5,667名の卒業生を送り出しました。また1956年に建築士の資格取得が可能なカリキュラムを導入して以降、数多くの女性建築家を輩出しています。日本女子大学大学院「建築デザイン中国足彩网科」も、建築デザイン学部と同じ2024年度に開設予定であり、学部での学びをさらに深化させていきます。
今回は「JWUで学んだ建築家たち?住居学科卒業生の活躍?」の第3弾として、これまで輩出してきた女性建築家を第1弾、第2弾に続きご紹介していきます。本学での思い出や建築デザイン学部開設に向けてのメッセージもいただいております。
ぜひご覧ください。
山田 初江(1930?2022年)
1951年 家政学部生活芸術科住居学専攻(現?住居学科)卒業
林?山田?中原設計同人 共同設立者
■代表作
?やねうら部屋のできる家(1959年)
?鎌倉の家(自邸)(1979年)
?学芸大学の家(1983年)
?コーポラティブ?ビラ?嬬恋居(1986年)
?八ヶ岳のヘキサゴン(1992年)
など
■JWUとのつながり
1983?1995年 日本女子大学家政学部住居学科 特別講師。
東京建築士会の女性初の理事?副会長として、本学の卒業生をはじめ多くの女性建築士の育成に尽力しました。
妹島 和世(1956年生)
1979年 家政学部住居学科 卒業
1981年 家政学中国足彩网科住居学専攻 修了
妹島和世建築設計事務所 主宰
SANAA 共同主宰
東京都庭園美術館館長
■代表作
?金沢21世紀美術館(2004年)*
?ROLEX ラーニングセンター(2009年)*
?ルーヴル?ランス(2012年)*
?グレイス?ファームズ(2015年)*
?日本女子大学図書館、百二十年館、杏彩館(2021年)
など
*はSANAAとして
■受賞歴
?日本建築学会賞(1998年、2006年)*
?ヴェネツィア?ビエンナーレ金獅子賞(イタリア、2004年)*
?ロルフショック賞(スウェーデン、2005年)
?プリツカー賞(アメリカ、2010年)*
?藝術文化勲章オフィシエ(フランス、2010年)
など
*はSANAAとして
■JWUとのつながり
2008年?日本女子大学客員教授。日本女子大学創立120周年事業として図書館、百二十年館、杏彩館の設計を手掛けた。2024年度開設 建築デザイン学部 特別招聘教員に就任。
■JWU在学中の思い出
進路について考えた時に、子供の頃、家の写真に夢中になったことを思い出して、日本女子大の住居学科を受験しました。その後入学して図書館で偶然その時の家「スカイハウス」を見つけて、建築が面白くなりました。印象に残っているのは、確か2年生の時の授業で、自分で好きな建築を探し、資料を集めて分析し、50分の1の模型を作り、それを撮影して発表するというものでした。他の人のそれぞれの発表もとても面白く勉強になりました。はじめて建築ということに自分が近づいた感じでした。
■建築デザイン学部新設へのメッセージ
建築をデザインすることは、私たちの自然や環境、人々の社会や経済、文化や芸術、また生活や人生に深く関係しその影響は多岐にわたります。建築は自分たちを包みこむものですからダイナミックでとても面白いです。しかし、大変なこともあります。小さいこと、大きなこと、いろいろな事について、学生の皆さんと一緒に考え、よりよい未来を考える手助けになればと思います。
宮 晶子(1963年生)
1986年 家政学部住居学科 卒業
miya akiko architecture atelier 主宰
■代表作
?那須の山荘(1998年)
?house K(2008年)
?house I(2009年)
?黄金町高架下新スタジオSite-B(2012年)
?食堂の壁のはなれ 屋根と窓のある家(2016年)
など
■受賞歴
?栃木県マロニエ建築奨励賞(1999年)
?SD review入選(2004、2018年)
?第26回新建築賞(旧吉岡賞)(2010年)
?第22回JIA(日本建築家協会)新人賞(2011年)
?Good Design賞(2015年)
など
■JWUとのつながり
2011年 日本女子大学非常勤講師。2012年?家政学部住居学科准教授。2022年?家政学部住居学科教授。
■JWU在学中の思い出
とても嬉しそうに建築の話をしてくださった富永譲先生の姿、絵画デッサンで旧図書館の前の通りをひとりで描いていたときのこと、課題を発表したときの緊張感と褒められたときの嬉しさ、提出日の電車で寝不足のため立ったまま寝てしまって足が「かくっ」となったときのこと、集合住宅の課題での共同作業のひきこもごもなど、いろいろな思い出が身体に刻まれていて、小さなこともすべてがなつかしく愛おしい思い出です。
■建築デザイン学部新設へのメッセージ
「住まう」ということから「建築」を考えるということは、自分にとってとても大切なベースにあるものです。いいかえれば、それは、人が自分の場所に対して働きかけたり働きかけられたりすることそのもので、自己の存在に関わるとても大切な基礎でもあります。それは、住居だけにとどまらずすべての建築や場所にかかわる思想です。その原点にたって「建築デザイン」を学べるほかにはない場として認識されることを期待しています。
このシリーズは連載にて公開してまいります。
引き続きご期待ください。