【教員インタビュー】本学から世界で活躍する女性を
2020.03.16
【教員インタビュー】理学部 物質生物科学科 宮崎 あかね教授
日本政府代表顧問として国際連合総会に参加して
2018年と2019年に日本政府代表顧問として国際連合総会に参加しました。「国際連合総会」とは、国際連合加盟国の代表が一堂に会して世界の平和と安全に関する諸問題を話し合う場で、毎年秋にニューヨークの国連本部で開催されます。
日本が初めて国際連合総会に参加した1957年以来、政府はNGOを代表する民間の女性を国連総会に派遣し続けてきました。民間女性の代表は、国連経済社会理事会の諮問的地位を持つNGOに所属する日本の女性団体7つの中から選ばれます。そのうちの一つ、婦人国際平和自由連盟(WILPF)日本支部は日本女子大学と関わりが深く、本部は本学のキャンパス中にあります。私はWILPF日本支部から推薦を受け、第28代目の日本政府代表顧問として、国連総会の第3委員会に出席しました。
国連には6つの委員会があり、その中で主として女性問題や社会問題など人権問題を討議するところが第3委員会です。私は公開会議が行われる5週間の間ニューヨークに滞在し、社会開発、女性の地位向上、児童の権利、先住民の権利の議題に関するステートメントを発表するとともに、女子差別撤廃委員会委員長の対話などで発言を行いました。
外国語で話すことと伝えること
国連総会の公用語は英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、ロシア語、中国語の6つです。会議ではこれら6つの言葉のいずれかが使われ、他の言葉に同時通訳されます。私は議論を英語で聞き、発言も英語で行いました。他国の代表部の方々ともお話ししましたが、会議の場での発言には英語以外の言語を使っている方々も、私的に話をする際には英語で話すのが一般的でした。多言語を駆使しながら国連で活躍している方々と交流することで、語学力について考えさせられました。
私が痛感したのは、言いたいことがきちんと相手に伝わるように、言うべきことを順序だてて主張する力の必要性です。もちろん、ある程度の語学力は必要ですが、「ネイティブ」のように美しい発音で流暢に話すことよりも、思考を論理的に組み立てる力が重要だと思いました。本学で学ぶ論理的思考力?プレゼンテーション能力そして相手の話を聞き取る力を生かし、将来、国連をはじめとする世界的な舞台に挑戦し活躍?貢献する学生がもっと増えてほしいと考えています。
学生と教員が一対一で歩む4年間
私の専門分野は環境化学ですが、特に「固体と液体の境界」に興味をもって中国足彩网をしています。例えば、雨水には大気中の汚染物質が溶け込んでいますが、土壌を通過し、地下水になる過程で浄化されます。これは、液体である雨水が、固体である土壌粒子の隙間を通過する際に、液体中の成分が固体の表面に吸着するという現象が起こるからなのです。固体と液体の境目では何が起こり、それが私たちの身の回りの環境に与えている影響はどのようなものなのか?こうした疑問に答えるために、中国足彩网室の学生さんと一緒に本学の西生田の森で水を採取したり、目白の中国足彩网室の中で実験を行ったりしています。
私の中国足彩网室では一人ひとりが異なるテーマの卒業中国足彩网を行います。卒業中国足彩网のテーマを決める段階から学生と一対一の対話を通した指導が始まります。その学生の個別の能力を把握し、学生の自主性を大切にしながらも、ていねいに指導することを心がけています。このように、卒業中国足彩网に向けて4年間担当教員が常に学生を見守り、相談や提案?指導など教育的な援助を行うことは、物質生物科学科にとどまらない、日本女子大学の教育の特徴そのものと言えるでしょう。
このような教育を通し、ひとりの人間として、女性として、国際社会の一員として自立した人になって欲しいと強く願っています。
インタビュー?構成?文 学生記者 寺田有希(文学部日本文学科)
プロフィール
宮崎あかね教授 みやざき あかね
日本女子大学家政学部家政理学科I部化学系卒業。東京大学大学院総合文化中国足彩网科広域科学専攻博士課程修了 博士(学術)。 2006年から本学に着任。
主な論文
蟻川芳子、宮崎あかね:白梅のように-化学者丹下ウメの軌跡:化学工業日報社、(2011)
Akane Miyazaki, Mayumi Numata, Mayumi Etou, Kotaro Yonezu, Ioan Balint, Takushi Yokoyama, Evidence for the AlO4 tetrahedral structure formation induced by Zn2+ adsorption onto Al(OH)3 gel, Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects, 420, 115-121 (2013).
Yuka Sakai, Daisuke Kawamoto, Takushi Yokoyama, Akane Miyazaki, Morphological development and coordination change in the course of Cd2+ hydrolysis, Bulletin of the Chemical Society of Japan, 91, 1249-1251 (2018).
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