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学内でできるボランティア はじめてのノートテイカー養成講座

2024.11.22

【社会連携】ダイバーシティ推進室×社会連携教育センター コラボ企画

10月3日(木)にダイバーシティ推進室と社会連携教育センターの共催で、「学内でできるボランティア はじめてのノートテイカー養成講座」を開催しました。事前に参加者を募ったところ、ほどなく30名の定員に達し、本学学生がボランティア活動に高い関心を持っていることが伺えました。

ノートテイカーとは、聴覚障害を持つ学生が授業に参加できるよう、教員などが発した音声を文字として伝える支援(情報保障)をする人のことです。本学ではボランティア活動として、パソコンを使ったノートテイクに協力してくれる学生を募集しています。

聴覚障害の在学生が語る
ノートテイカーの意味とは?

講座の冒頭に、聴覚障害を持つ在学生からの動画メッセージを視聴しました。動画の中で「私は補聴器をつけても声を聞き取ることが難しく、周りの人と同じように授業を受けるためにノートテイクをお願いしています。授業内容だけでなく何気ない教室の雑談などについても、ノートテイクを見ることで雰囲気を理解できるので、安心して授業が受けられています。1コマ分の授業をパソコンに入力し続けるのは大変だと思いますが、私も一生懸命に授業を受けるので、よろしくお願いします」と話していました。講座に参加した学生は「ノートテイクの技術には不安があるけれど、動画を見て力になりたいと思いました」とノートテイカーになることへの意欲を高めていました。

写真左から 講座を担当する榎本准教授/先輩ノートテイカーも参加学生へメッセージを送りました
写真左から 講座を担当する榎本准教授/先輩ノートテイカーも参加学生へメッセージを送りました

聴覚障害を持つ方々をサポートできる人材に

ノートテイクについて講座を担当したのは、教育学科の榎本聡(えのもとさとし)准教授です。学生は本講座の前に、榎本准教授による事前視聴動画にて聴覚障害やノートテイクに対する基礎知識を身につけてから当日に臨みました。ノートテイクの技術だけではなく、聴覚障害そのものへの理解を深めることで、聴覚障害を持つ方々を幅広くサポートできる人材になってほしいと榎本准教授は話しました。
ノートテイクのポイントは、授業内容だけでなく教室内の「いきいきとした雰囲気」を伝えるために聞こえたままの情報を入力すること。榎本准教授は「『重要性』の判断をしてはいけません。『理解』をする必要もありません」と語りました。ノートテイカーにとっては重要ではないように思われたり、あるいは誤っていると思われたりした話であっても、それらを判断するのはノートテイクを受ける本人に委ねられるためです。

【ノートテイクを実践】「T-TAC Caption2」を活用して

本学では筑波技術大学が開発した「T-TAC Caption2」という遠隔情報保障システムを活用して、ノートテイクを行っています。このシステムは、インターネットに接続したパソコン以外に特別な機器が不要で、遠隔地から入力することや、複数人での連係入力(複数のパソコンから複数人が交互に入力すること)も可能である点が特徴です。
榎本准教授の指導のもと、参加した学生が6人で1グループを作ってノートテイクを体験しました。複数人で交互にパソコン入力する場面では、なかなかタイミングが合わずに重複して入力してしまったり、話している内容を入力しきれなかったりと苦戦している姿も目立ちます。参加した学生からは「自分はタイピングが得意な方だと思っていたが、聞いたものをそのまま文字に起こすのがこんなに難しいと思いませんでした。ですが、私でもお役に立てるのなら、ぜひノートテイカーとして支援したいです」「とても緊張して手が震えて入力するのが大変でしたが、連係をして話し言葉を入力していくという、今までしたことない体験をすることができて良かったです」などという声がありました。

T-TAC Caption2(開発:筑波技術大学 三好茂樹)
T-TAC Caption2(開発:筑波技術大学 三好茂樹)

本学ではすべての学生の修学が適切に進み、充実した学生生活が送れるように、多様な意見を尊重し、諸種の合理的配慮をしています。「ノートテイカー養成講座」は次年度にも実施予定です。